「肉離れ」とは、その言葉通りに筋肉が離れた状態です
状態によっては歩くだけで痛むこともあり、一度痛めるとしばらく安静にするようすすめられます
普段ならまだ良いのですが、大人バレエの発表会前だと焦ってしまいますよね
今回は肉離れについてと、その予防になるセルフケアの基本部分をピックアップしてまとめました
「肉離れ」を聞いたことがあるけれど、具体的にはよく知らないという方も多いと思います
普段から予防をしたい大人バレリーナさん、もしもの時のために基本を知っておきたい方にも、お役立てくださいますと幸いです

肉離れになった時のことだけでなく予防ケアも知っておきましょう!
【ケガ予防】肉離れは予防できる?大人バレエを長く続けるセルフケア
バレエやダンスは、体を酷使します
日常で使わない筋肉を使い、大きく動いたり急に動きだす等、体へ大きな負担がかかる動きも多いです
だからこそボディコントロールとケガ予防のために、ダンサーはトレーニングをします
ただ大人バレエ・大人ダンサーは、踊ることが本業ではありませんよね
日々の仕事をしながら、なんとか時間を作ってレッスンへ通っている方もたくさんいらっしゃると思います
レッスンへ通うので精一杯、ピラティスやマッサージは後回し…という方も多いのではないでしょうか

今回は隙間時間でできるセルフケアをご紹介しますので安心してくださいね!
大人バレエと肉離れ
例えば、発表会前は、日々の仕事とレッスンにリハーサルが加わります
スケジュール帳は、仕事・レッスン・リハーサルで真っ黒…
疲労を解消するタイミングもなくなり、どんどん疲労がたまってしまうのが大人バレエ発表会前です
バレエ/ダンスは、筋肉への負担も大きく、その疲労解消には休ませることが一番
しかし、その時間がないと、ふくらはぎや太ももはどんどんと疲労がたまる一方です
その結果、発表会直前に肉離れ…ということが起きます
これはがんばった結果でもありますが、やはり発表会が近いほど、レッスンもリハーサルも休みたくないですよね
実は肉離れは、本格的に痛める前から体にサインが出ています
日頃のケアが重要ですが、そのサインも見逃さず肉離れを回避しましょう!

体の声は誰でも聞けるようになりますよ


そもそも「肉離れ」はどんな状態?
肉離れは、太ももとふくらはぎによくおこります
筋肉が引き伸ばされた時・ストレッチや体重をかけた時に痛みや違和感を感じることが多いのが特徴です
足がつる時の筋肉は固まっていますが、肉離れは筋肉が離れる感じがするはず
- 肉離れ…筋肉が引き離された状態
- 足がつる…筋肉が固まった状態
肉離れはシンプルに分けると『軽度/中度/重度』と分けることができます
日常生活が問題なく送れるようになるまでの目安は下記の通りです
- 軽度数日~1週間
- 中度…1カ月
- 重度…3カ月
この中で、大人バレエの方に最も多いのが「中度」でしょう
診察で「3~4週間は安静に」と言われたことのある方も多いのではないでしょうか

肉離れになる前に気づいて対処できると良いですね!
それ、肉離れのサインかも!5つのセルフチェック
肉離れの痛みは、実はその前から所々サインがでています
そのサインを放っておくと本当に肉離れになってしまい、その後は安静にしなければいけません
日頃からボディケアをしながら、そのサインを見逃さないようにしましょう!
▶肉離れ5つのセルフチェック
- 体重をかけると痛む
- ストレッチをすると痛む
- 大股で歩行すると痛む
- ふくらはぎや太ももで押すと痛む部分がある
- ふくらはぎや太ももに鈍い痛みがある

ドキッとする部分、ありませんか?
①体重をかけると痛む
肉離れは、筋肉が離れて痛みが出ます
そのため、そこへ体重がかかると鈍い痛みを感じます
肉離れになる可能性のある部分はその前から、その傾向が出ているはずです
平たい場所でゆっくり片足に体重をかけたり、階段の段差に片足を乗せ、ゆっくり体重をかけてみてください
もしそこでピリッと痛むなら、ケア必須です
いつもシャワーで済ませているなら湯舟につかり、全身を温めるところからケアを始めましょう
②ストレッチをすると痛む
先ほどと同様ですが、こちらは体重をかけて痛むのではなく、体を伸ばすと痛みを感じます
例えば、写真のような立位前屈
太もも裏が張っている人や疲労がたまっている人は、そこに痛みがあるかもしれません
ストレッチをすると大抵「軽い痛み」があると思いますが、肉離れのサインとは痛みが違います
目安は、痛気持ち良いかピリッと痛むかです
見極めるのは少し難しいかもしれませんが、ケアをして悪いことはありません
まずは先ほど同様に、毎日、湯舟につかること
それから、ムリな姿勢でのストレッチをしていないか、力でストレッチをしていないか等
この機会に正しいストレッチを学ぶこともお薦めしたいです
③大股で歩行すると痛む
大股で歩くと、ふくらはぎや前もも、裏ももをグッと伸ばす必要があります
肉離れは、筋肉が離れることで痛みがでます
そのためその部分に疲労がたまっていると、大股で歩いた時に痛みがでることがあります
前後開脚で裏ももを痛めたことはありませんか?
大人バレエダンサーは、踊りが本業ではないからこそ、踊るための準備には時間が必要です
前後開脚は憧れる方も多いと思いますが、痛めては元も子もありません
日頃のボディケアと共に、裏もも・前もも・股関節などを丁寧にほぐす
ピラティスやトレーニングといったコアトレも取り入れるなど
順を追って慎重にトライしましょう

ギュッと押すのはNGです!ゆっくり少しずつ、焦らずトライしましょう
④ふくらはぎや太ももで押すと痛む部分がある
体重をかけて痛む時と似ていますが、筋肉に疲労がたまっている部分を押すと痛むことがあります
ほぐす必要のある痛みなのか判断に迷う時は、まず別の部分を押してみます
例えば、右のふくらはぎと左のふくらはぎをそれぞれ同じように押す、といった感じです
もし片方のふくらはぎだけ、凝り固まった部分を押されたような痛みがあれば、そこはケアが必要です
実は左右を同じように使っているつもりでも、実はどちらかを酷使しています
そうした体の使い方のクセにも気づけるので、左右の違いは日頃からチェックをするのがお薦めです
⑤ふくらはぎや太ももに鈍い痛みがある
先ほどの「押すと痛む」との違いは、何もしていなくても痛むかどうかです
例えば四十肩は、悪化すると、じっとしていても痛みます
そのように筋肉疲労がたまり、さらにガチガチに固まっていると、じっとしていても痛みを感じることがあります
この場合は、毎日繰り返し何度も何度もほぐす必要があります
たまにほぐすだけでは、すぐに元に戻るからです
この場合はレッスン数を減らしてでも、マッサージや整体に通うことを視野に入れましょう
完全に肉離れになってしまうと、レッスンに行けなくなってしまう可能性大!
筋肉は鍛えるばかりではなく、ゆるめること・ほぐすこととのバランスが必要です
長く良い状態で踊りたいなら、ボディケアを取り入れることをお薦めします
肉離れになったらまずこれ!3つの対処法
ここまでは肉離れの予防をご紹介してきました
ここからは「肉離れになってしまった!!」という時の基本豆知識をご紹介します
出来る限り最短でまた踊れるように、慌てず1つ1つ取り組みましょう
肉離れ直後~48時間
肉離れ直後は、まず「冷やし」ます
これは、その部分が炎症を起こしているのでその炎症を落ち着かせるためです
歩いたり立ったりと、痛む部分に体重をかけないよう、出来るだけ安静にしてください
冷やす際は、出来れば「氷」がお薦めです
水はすぐにぬるくなってしまうため、氷やアイスノンで冷やし、痛みが落ち着いてきたら冷湿布にします
また肉離れになった当日は入浴は控え、シャワーで済ませましょう
肉離れ48時間後~
炎症がおさまった後は温めます
冷やす→温めるの目安は48時間、入浴もOKです
レッグウォーマーや締め付けのゆるいタイツを履き、冷やさないようにします
肉離れになってから動ける日までの目安
先ほども触れましたが、肉離れには3段階あり、動けるまでの目安は個人差が大きいです
軽い人なら数日で動けますが、1カ月以上かかる人や、もしくはそれ以上のケースもあります
発表会前などは、早く動きたい!と焦ってしまうことがあると思います
ただし、焦ると反対に長引く可能性が高まります
長く良い状態で踊り続けたい人はここで焦らないことが大切です
ここは可能な限り安静にする時間をとり、長い目でケアをすることをお薦めしたいと思います

こうした事態を防ぐためにも日頃の予防ケアはとても大切です
筋肉の弾力性を取り戻して肉離れ予防を
肉離れは「繰り返す」と聞いたことはありませんか?
その原因の1つは、筋肉の状態が変わっていないことにあります
今の痛みがひいても、筋肉は固く疲労がたまったままなので、また肉離れになる可能性があるのです
また痛くなるかもしれない…と思うと、思いきり踊れませんよね
繰り返さないためにも、さらに良い状態で長く踊るためにも、ここで取り組みたいことが1つあります
それが『筋肉の弾力性を取り戻す』こと
筋肉の弾力性を取り戻すコアトレの順番キホンのキ
筋肉は固く強いだけでも柔らかいだけでも、その力を発揮できません
力を発揮する時には強く、力を抜いている時は柔らかい
そんな状態が1つの理想です
ボディワークの基本は「❶ゆるめる❷ととのえる❸鍛える」の順番です

筋肉の弾力性を取り戻す時にお薦めしたいのは「ほぐす」と「鍛える」を順番に行うこと
ほぐすばかりでも鍛えるばかりでもバランスがよくありません
両方を行うことで、強くしなやかに踊れる体づくりができます
例えば、こうしたストレッチ(上)と片足スクワット(下)
これらを交互に繰り返すだけでもOKです
どちらを多く行うと調子がよくなるかも、続けるうちにわかってきます
特にこの片足スクワットは、パッセやルルべなど、片足バランスをとることの多いバレエではお薦めエクササイズです
行う時は、足の指をリラックスさせ、膝頭とつま先の方向を同じにするよう気を付けてくださいね

目線は正面がお薦めです!
まとめ
踊る時の体の使い方は、日常生活とは違う動きばかりです
体への負担が大きいからこそ、そのためのトレーニングとマッサージの両方が必要になります
大人から踊り始める人にこそ、こうした部分も取り入れて、ケガなく長く踊りを楽しんで欲しいと思っています!